~君の名は。の考察と感想~
感想を一言で簡潔に言うと面白かった。
ただそれは「表面上で楽しんだら」という意味、である。
話は全体的にまとまっているし、皆が受け入れやすいハッピーエンド。好き嫌いがそんなにハッキリ大きく分かれることはないと思う作品。
私の場合だと表面だけ見れば凄く面白かったなと思う。
ただ、なんとなくこっちから作品をどんな目で見るか距離感を考える必要があったのは否めない。
まずこの作品は異世界ではなくリアルが舞台で起こるお話。ただ突然そこにファンタジーが入ってくるので、「うまくいきすぎる展開」につい目が行ってしまう。
なので「表面」で楽しまなければ一気に自分の中で冷めてしまうような感じ。
要するにリアルな世界が舞台だからって「現実的な思考」で見てしまうと心が乗らず、置いていかれてしまう作品・・・と言ったところかなぁ。だから距離感を考えてみる必要があるのだ。
ハッピーエンド以外でも受け入れられるマルチエンド大丈夫人間にとっては本当にうまく行き過ぎているように見えてくる。「ハッピーエンドを前提に描かれていることが前面に押し出されている」と言ったところかなぁ??ハッピーエンド以外は初めから受け入れないシナリオ。
だから「あ、このままやったらバッドエンドや!」って時に見えない魔法の力がググッと入ってきてハッピーエンドへ軌道修正される。
そしてもうひとつは、こんなに現代的なのにも関わらず二人が入れ替わった後のやりとりの仕方が日記を付ける・・・という急にアナログなんだなというか。電話などでやり取りすればよかったと思うんだなぁ。もうお互いの姿も分かってるし恥ずかしがることもない、もう少し早く実際に会って見ても良かったんじゃないかなとか、やっぱり現実的な目で見てしまうとこの辺も心が冷めてしまう。これもちょっと「この作品の決まったシナリオという軌道」に乗せたいという力が働いているようにも思えてしまう。
しかしこれも表面だけで見てみれば入れ替わった二人の様子がRADWIMPSの音楽と共にテンポよく爽快に描かれているので面白い!
以上の理由から現実的な目で見て考えてしまうと「ご都合主義過ぎないかな??」と思えてしまうところが多々あったが、表面上を見て楽しむ分にはすごく面白かったなと思う。何よりも絵が綺麗だ・・・!!
以下、映画を考えながら見ていて分かったこと、考察
その1
過去の回想シーンで二葉(三葉、四葉の母)が亡くなり三葉と四葉の父親が、神社ではなく二葉を好きになって婿に来たという発言から三葉と四葉の父親が「二葉と結婚するにあたって婿入りをしていること」が分かる。
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三葉と四葉の苗字は宮水。それと上記の「父親は婿入り婚」の2つをあわせて「二葉は宮水の一族」だということが分かる。
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一葉(お婆ちゃん)は宮水家の慣わし(組紐や口噛み酒、舞)に詳しかったりなどしたところから、一葉も宮水家の一族だと考えて妥当だろう。一葉も二葉も三葉も四葉も皆女。とすると「
宮水家は女しか生まれない一族?」だという推測がたつ。
その2
糸守の湖にクレーターの跡があったり宮水神社の御神体もクレーターの跡だったりで、「
糸守には昔から彗星?が落下している」という設定がちらついている。
その3
宮水神社の御神体のある場所で瀧(主人公)は口噛み酒を飲んだ後、天井に描かれていた彗星の絵を見ていることから上記のその2がまたちらつき、宮水家の祖先は「
彗星がまた落ちることを分かっていた?」
その4
一葉(お婆ちゃん)の劇中のセリフから「一葉も昔、入れ替わりが起こっていた」ということが分かっている。
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おそらく二葉(三葉と四葉の母)も入れ替わりを体験していたのでは?
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今回は三葉が入れ替わりを体験
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宮水神社の血筋は「
入れ替わりの特殊能力を持っている」その5
「入れ替わりの能力はこの日の為にあった」という瀧の発言と上記のその3、その4により、「
宮水家は彗星落下を予言しておりそれを回避する為に入れ替わりという力があった」ことが分かる。
これらから三葉は・・・彗星の当たり年に入れ替わりになり、彗星の落下により壊滅状態になることを回避すべく一族代々の入れ替わりの力を駆使して瀧と共に回避する・・・という物語になるのかな?
設定は凄く凝っていると思うんだけど、その分あの映画に凄く詰めこまれてしまっていて、1度見て理解に漕ぎ着けた人とそうでない人の温度差というかそんな感じのものもありそうな予感。というか映画という短い時間にそれを詰め込めたのは凄いと思う。
私は製作者の意図には及ばないかもしれないが、1度見てここまでなら汲み取れた。
けどやっぱ「3年のラグ」というものにまったく、本当にまったく気づけなかったのが前半部分で言ったとおり「ご都合的な見えない力」が働いてしまっているなぁといった感じ。設定がここまで凝っているのに、「電話しない、実際に会わない、ラグにまったく気がつかない」と緩いのは、うーん・・・。
と言った、そんな感じでしょうかね?
長々と書いてしまいましたが個人的には楽しめました!ハッピーエンドがと言うより、伏線を探したり考えたりするのがってところでしょうか。
それにしても監督、相変わらずハッピーエンドを書くのが苦手そう?
今回の君の名は。では大分ハッピーエンドで終わりましたが途中途中の「このままじゃバッドエンドになっちゃうよ!!」っていう展開の方が演出がうまかったというかwあとは瀧が好きだった女先輩が瀧に結婚指輪を見せながらセリフを言っていたシーンの方が雰囲気出てて好きだったかなぁ。
秒速5センチメートルでもバッドエンドのつもりではなかったと言っていたが結構暗かったしねw
バッドエンドな演出の方が上手な監督さんに感じてしまう><
君の名は。は全体的に悪くない作品。どんな風に見ようか距離感を考えさえすれば冷めず楽しめる!
長くなってしまいましたが私の感想はこんなところです。
君の名は。は土曜の時点で1日の上映スケジュール全て全席完売でした。まだまだ人気が有る作品なので是非劇場に足を運んでみてください!設定を知った上で見たらまた何か違うかもしれません><
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